お久しぶりです
尾崎です!
牛たちは下の牛舎でも寒さに負けじとたくましく生活していますよ🐮🐮
つい先日の話になるのですが、私がとても感動した出来事がありました。
夜、仕事を終えて一旦家に帰ると
沖野さんから「今から牧場来れる?、、、
破水したから手を入れて胎児を確認したら
足が3本ある、、、多分双子だ、」と
電話がかかってきました
和牛はごくまれに双子を産みますが
基本的には一度の出産で一頭の子牛を産みます。
また正常のお産だと、胎児はうつ伏せで
バンザイしているみたいに前足2本と頭で出てきます
3本という事は双子が同時に出てこようとしていてそのうちの一頭は足が折れ曲がった状態の可能性が高いという事になります。
双子でも一頭ずつ出てくれば難しくはないのですが、今回のように同時に出てくるのは難しいケースになります。
※下の図のように人間が手伝わないと
産まれてくることが難しい場合が沢山あります。
そして、急いで牧場に向かい分娩室に行くと
沖野さんの姿が見えず、、
「こっち~」と分娩予定日がまだ先のノーマークの牛の部屋から声が、、
「獣医さんを呼んだけど、待ってたら死ぬかも。もう二人で出しちゃおう!とりあえず曲がってた足は伸ばせたから今は4本足が触れる状態。ロープを一頭の足2本に付けたから、とりあえずこれから出そう。」と。双子にしては大きな子牛が無事産まれてきました。「あと一頭は、逆子だから一気にいくね。胎児は小さそうだし二人の力でいける。」と。小さめの子牛が少し酸欠気味でしたが無事に出てきました。(ちなみに、正常位と逆子では引っ張り方が変わってきます。)
達成感、ハンパないです!
沖野さんは「怖かった、、。でも楽しかった。」と。
もし帰る前にノーマーク牛のお産の兆候に気付かず帰っていたら、、もし手を入れるのが遅れて異常に気付くのも遅れていたら、、もしロープを誤って別々の牛の足に付けて引っ張っていたら、、もし引っ張る胎児の順番が反対だったら、、もし逆子だと気付かず引っ張っていたら、、と。助産は、慌てた状況の中でも、冷静に確実に対処する必要があります。一番大変なのは母牛ですからね。今回の助産は、どれか一つでも遅れたりミスしていたら、親と双子の命を一つや二つ、最悪三つとも失っていたかもしれません。同じ状況にまたいつか出会うと思いますが、次も全ての命を救いたいです。もちろん、違うタイプの難産は他にもあるので、色んなタイプの難産を経験しながら成長していけたらなと思います。
実はこのすぐ後にも、厄介な牛のお産が、、。でも沖野さんのファインプレーで何とかそのお産も乗り越えました。二人とも命がけでしたが、、。この話をここで書くとまた長くなるので、どんなお産だったか気になる方は、春にカルストまで聞きに来て下さい笑
ここはメガファームなのかと勘違いしてしまう程のバタバタな夜でした。でもこんな刺激的で感動的な時間、嫌いじゃないです!
双子の子牛ですが弱っていた子牛をお母さんに付けて、元気な男の子の方は人の手でミルクをあげているのですが、食欲が凄く沢山飲むので毛がつやつやしています笑
かわいいです笑
前回の沖野さんのブログでも書いてますが、今年は牛の事故がありました。少し落ち込んだ後に、二度と同じ事故は起こさないようにと、すぐに対策を考えデータを取って検証し、今はそれがとても役立っています。これを考えて上手くいきだした頃、沖野さんは壁を一つ乗り越えたのか、清々しい顔で「武器が増えた!これだと、それぞれの感覚で判断するのと違って、誰がやっても正確に判断出来る!」
自分はそんな沖野さんを見ていて
凄い人だと思ったのと同時に
沖野さんが居ないときに今回のような
難しいお産があったらと思うと
とても怖くもなりました、、、
なので、しっかりと経験を積んで
判断力を身に付けて、無事に子牛が産まれてきてくれるように頑張ります💪❗
長くなりましたが、この辺で失礼します🙋
寒くなってきたので体調にはお気をつけ下さい!
四国カルスト 姫鶴牧場
牧場の日常を 伝えていきたいと思っています🐮🐮 四国カルストでの放牧期間は 4月下旬~11月上旬となっております
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